1993年香港食い倒れツアー日記
7月17日さあ、素晴らしき食の都へ
いよいよ香港へ出発である。いつも朝は弱い由美子も今日はきっちり5:30に起きた。防府からやってくる豊田さん、河野君とも予定の6:30より早くうちに来る。気合が入っている。 小郡の駅裏の駐車場に車を置き、新幹線に乗る。 博多駅からは地下鉄で空港へ。国際便乗り場は地下鉄を降りてからちょっと遠い。1キロはあるだろうか。 エスカレーターもまだ工事中で動いておらず、時間も遅れ気味なので急いで空港に向かう。 空港カウンターにはアジア夢紀行の人が待っていた。しかし、他にツアー客らしき人がいない。 どうやらこのツアー、私等だけのようである。夢紀行の人はなかなか説明が丁寧で、好感がもてる。 出発までの打合せも親切だったし、レストランの予約もただでやってもらえた。 なかなかポイント高い旅行会社である。また利用しようかな。 2階で出国カードを書く。いつも思うがこの1枚を書くのに手数料何千円も取るのは暴利だ。 コピーをもっていれば楽勝で書けるのだが、いつも空港であせりながら書いている気がする。 さあ、飛行機に乗ろうかというところで私と河野君はいきなり手荷物検査でひっかかった。 ビクトリノックスの万能ナイフがひっかかったのだ。考えてみればあたりまえの話。 その場で預け、香港で返してくれることになった。 飛行機は中華航空。初めて乗るのでやや心配。隣のJAL機が大きく見える。 A−300はシートがシンプルな気がするが、一応RECARO。 座席備え付けの冊子も使い込まれており、なかなか怪しい。さすが、中華航空。 冊子には台湾の英雄、呂明賜が載っている。巨人職業棒球隊とは。機内食はこんなもんかな。 やっと台北に着いた。トランジットの部屋はまあまあだが、やや不思議な匂いがして臭い。 旅券をもらいチェックを受けて階段を登るといきなり免税店。 台湾の通貨NK$は高いのか安いのかさっぱり分からない。 ところで飛行機がなぜか遅れている。動く歩道で端まできてしまったからしかたなく待合室で待つ。 ちょっと栴檀臭いが、すぐ来るだろうと思っていたら、12:40発の予定が14:30まで待たされてしまった。 テレビは同じものばっかりだし(BMWとカラオケとタイニートゥーンばかり)。中華航空はもう乗りたくない。 そういえばまわりにほとんど日本人がいない。はまったか。 飛行機がきたと思えば荷物の積み込が遅い。いったいいつになるのやら。 14:30になってやっと乗れた。英語でも理由の説明が無かったようだが、そんなに不満を言う人もいないようだ。 どんな国なんだここは。乗ったと思ったらすぐ食事。こんな時間に食べたら夕食が入らない。 自重しよう。まずいし丁度いい。 やっと着陸。 以前キャセイに乗ったときビルの中に降りて行く光景が素晴らしかったので楽しみにしていたのだが、方向が悪いのかあまりそんなふうには見えなかった。やはり夜がいい。と思っているとすごい衝撃。着陸が下手である。 なんとか無事に着いた。空港まではバスで移動。ほとんど椅子の無いバスである。 建物に着いたらバスの後部が開いた。海軍の上陸用艇みたいだ。 荷物を持ってあせって外にでると待っているはずのガイドがいない。 しばらくうろうろしていると、遠くから私達を探しに行っていたというガイドの陳さんが来た。 なんで飛行機が遅れたかって私らに文句言われても・・。 さっそくマイクロバスに乗り、キンバリーホテルに向かう。客は私等4人なので、せまいけど問題なし。 なんて忙しいんだ。回りの景色を見る余裕も無く、陳さんの話しを聞く。 バスで配られた予定表には、「原田様香港4日間の旅」と書いてある。バスの中で陳さんに両替してもらう。 1万で670H$。1H$約14.93円。まあ仕様がないか。 ![]() ホテルに着いて5時半すぎ。 急いで食事に行こうとすると、陳さんがヨンキーは最近良くないから鯉里門に海鮮料理を食べにいかないかと持ち掛けて来る。すっかりヨンキーにいくつもりだったのでかなり迷ったが、鯉里門は自分達だけでは行けないと思い、ヨンキーの予約取り消しを陳さんにまかせる。 ホテルの部屋はなかなか奇麗。すぐに部屋のタンスに下着等をうつす。自分の部屋のように使いたいからね。 カーテンを開けると目の前は香港のアパート。これはすごい。何回建て増ししてあるのだろう。 上のほうの階のベランダに鳥をたくさん飼っている部屋があった。 この下を歩くのは避けないと爆弾を食らうのでは。 6:15にロビーで待ち合わせ、タクシーで鯉里門に向かう。51H$。 降りるとき、多謝というと、この場合は唔該だと陳さんにいわれた。 このあたりは水上生活者が多いらしい。湾のこ汚い船の上で夕食をとっているのが見える。 その向こうには香港島が見えた。まだ夕方で日は暮れていなかったが夕焼けもなかなか。 道端には果物を売る屋台がある。陳さんによると今はライチーが一番旨いらしい。 野良犬がうろついているが顔が日本の犬と違う。昔は野良犬はほとんどいなかったが、今は犬を食べてはいけなくなったので、こうして犬が大きな顔で歩けるようになったそうな。 鯉里門の市場に向かう。貝がすごい。でろでろと30センチはあると思われる。うまいんだろうか。 それより誰が食うんだろう。魚は原色だし、蝦は50センチくらいあるし、見るぶんにはすごく面白い。 水族館のような市場である。写真とればよかった。 そうこうしているうちに店につく。海天花園酒家。2階に通され、陳さんがなにやら話している。 店員が袋に入った魚や貝を持って来る。これを料理するらしい。 よくわからないが飲み物だけは聞いてきたのでポーレイ茶を頼めた。 話していると、陳さんが自分は下にいるから何かあったら呼んでくれといって降りていった。 なんで帰らないんだろう。ついでなので翌日の福臨門で頼んで欲しいと日本から持ってきたメニューを見せ、 電話で頼んでもらった。 早速ゆで蝦が出てきた。たしかに旨い。日本の蝦とは味の深さが違う。しかしあっさりしている。 鮮度が違うのか種類が違うのかと言っているうちに全部無くなる。たしかにもっと食いたい。 次は小さめの伊勢蝦のニンニク風味炒め。なかなか香ばしくて美味。お茶もよく合う。 3番目には帯子の油通し。ホタテに似ている。ちょっと油っぽい印象。 4番目はトコブシの姿蒸し。特にアワビ系だからといって深い味がするわけでは無かった気がする。やや苦い。 5番目がメインの赤魚の姿煮。魚の名前は解らずじまい。30センチはあったろうか、ちょっと大味。 店員が身を崩したのだがあまり上手ではなく、テーブルクロスの上に大きな染みを残していった。 一緒に青菜の炒めものも出た。これはちょっと多いかとおもったが、結局全部食べた。 食事のバランスを考え、季節の青菜を炒めたものを出すと聞いていたが、ほとんど毎日これが出た。 ![]() 次に蟹と葱の炒めもの。このへんになるとすっかり口の中は油まみれ。 フィンガーボールで手を洗ってもあまり落ちない。お茶を少し飲んだくらいではすっきりしない。 伊府麺もでたが、のびたカップヌードルの様な味だった。付け合わせのらっきょがうまい。 もういいやという感じで話していると、陳さんがやってきた。 陳さんに赤魚の名前を聞いてみたが知らないと言われた。 下のトイレで初めて使用料の2H$を払う。 あまり奇麗ともいえないトイレだったが、入り口におばさんがおしぼりを持って座っているのでやむを得ない。 おしぼりをもらいお金を渡し、手を拭いてそばのごみ箱に投げ入れる。おばさんが困ったような顔をするので見る と、次の人はおしぼりをおばさんに返していた・・・。 壁にJCBのシールが貼ってあるのでカードは使えたと思うのだが、陳さんが現金で3万2千円だというのでしかたなく円で払う。いくらか陳さんにバックマージンが現金でいくのでは。 タクシー乗り場まで行き、そこで陳さんとは別れる。 次の日は8時半に粥を食べに行き、観光に連れて行くというので、その後の予定を変えてもらい、半日免税品店を回るだけで勘弁してもらった。他にツアーの連中がいれば朝から無視する予定でいたが、我々だけでは、しかたないか。 天気もいいしまだ時間も早いので、タクシーでビクトリアピークへ行くことにする。 乗るやいなや運転手はシートベルトをしろという。一応メーターは9H$から動いているので安心する。 香港島へのトンネルは渋滞していなかった。島に渡り、高架の道路になるとやにわにスピードを上げる。 110キロで走っている。うちの奥さんはこういうときに限って助手席にいる。声もだせないくらい恐いのか、気絶しているのか静かである。後ろも緊張している。 広東語の本に「もっとゆっくり走ってください。」というの例文があるのもうなずける。 やがて高架を下り、ややスピードが落ちたので安心していると、おもむろに坂を登り始める。 当たり前だがビクトリアピークは山頂である。スペースマウンテンのようなひととき。 前のベンツにパッシングし道を譲らせる豪気な運転手。 ようやくピークトラムの駅が見え、一息つけた。帰りは決してタクシーに乗るまいと皆で誓う。 さすが土曜の夜、すごい人である。日本語も聞こえてくる。山道はなかなか急で、歩くのが大変そうだった。 途中高級そうな別荘地がある。この辺に住めるのは大富豪だそうだが、買い物などはすべてふもとまで降りないといけないなんて不便だろう。しかし、ここに住める人は自分で買い物などしないのだろう。余計な心配をしてしまった。 とにかく蒸し暑くだんだん朦朧としてきたので夜景が見えるスポットで写真を取り、降りることにする。 あーそうそう、夜景は奇麗だった。 ピークトラムに乗る。いきなり斜めに乗り物がやってくる。 普通こんな斜めの乗り物の座席は斜めになっている(山側に傾いている)ものだが、これはまっすぐである。 途中角度が違うためだろうが、おかげで外の建物が斜めに建っているような錯覚を起こす。 降りるときに日本人が「終点、梅田。」と言ったのはちょっと残念。 だいぶ疲れてきたので、スターフェリーに乗ってまっすぐ帰ることにした。フェリー乗り場はなかなか遠い。 電色ぴかぴかのバスが嬉しい。よく考えてみると地下鉄のほうが近いような・・ まあ、乗ることに意義があるということで。券を買って中に入り、船を待つ。暑い。じわりと汗がにじむ。 1等の席はそんなに高いところにあるようには思わなかったが、2等の乗船場はずいぶんと下に見えた。 船が出ると風がきもちよい。こうしてみると香港島のほうが夜景は奇麗な気がする。 尖沙咀でフェリーを降り、ホテルまで歩く。 雑多な雰囲気に少し緊張するが、なにしろ暑く、早く帰りたく気がはやる。ペニンシュラまでも十分遠い。 ペニンシュラは増築中だったが、泊まっている車はさすがに高級だった。角を曲がるとよくガイドで見る風景。 ネオンがすごい。この頃になると暑さと疲れでかなりぼーっとしてきた。シャワーとビールが欲しかった。 日本人とみるや「偽物バッグ、時計あるよ。やすいよ。」と話し掛けられる。うるさい。 はっきりいってピークトラムを降りてから歩きっぱなしである。今度行くときは絶対地下鉄にしよう。 この旅行で一番疲れた。 ネーザンロードを半分くらい行ったところに恵庭があったので、そこでビールとつまみを買う。 1本3.8H$。安い。本当にミネラルウォーターのほうが高い。なんとかホテルにたどり着く。遠かった。 11時を回っていた。シャワーを浴び、ビールを飲んでやっと長い1日が終わった。 ビールがうまい。死んだように寝た。 |
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7月18日
なんとか7時半に起き、8時半にロビーに降りる。陳さんはすでに待っていた。陳さんに連れられオーシャンセンターの中にある翠景酒家にて粥と飲茶の朝食。 なんで朝からこんなに出るの。はっきりいって食えん。皮蛋入りの粥はなかなか美味。叉焼飽もいける。 しかし、腸粉、ニッケの味の柔らかな春巻きはあまり旨くない。餃子系統はやはり良い。 人がポーレイといっとるのに、なんでジャスミン茶をもってくるの。麺も食べたいな。 朝から無理して食べていると、陳さんが「やー、たくさん食べたですね。普通の日本人は半分くらい 残します。」って、をいをい。それじゃ私達っていったい。 お昼に陸羽茶室で食事したいからと、大幅な予定変更を要求したので、結局観光はすべてカットされ、 数件の免税品店と宝石工場に連れていかれる事になった。 最初に行った店は香港らしい土産を売っている中国風の百貨店ということだったが、入ると日本人ばかりで店員は客の倍はいただろうか、暇そうにカウンターごしに座っていた。 翡翠の桃の木が縁起ものでいいと言われても、そんな高価なもの買えないって。 陳さんの顔をたて、シルクのブラウスを何枚か買ってお茶を濁す。私は日本よりでかいヤクルトが気にいった。 こんどここに連れてこられたら、ヤクルトを飲んでトイレを借りてさっさと出よう。もちろんただ。 次の店はブランド物のバッグや財布を売っている店だった。 たしかに日本よりは安いが、香港の普通の店の値段を見る前にこんなところで買うわけにはいかない。 さっさとパスする。ここで、陳さんが自分の会社で扱っているお茶とチョコレートを買わないかと言い出した。 しかたないからいくつか買う。まあ、良心的な値段であった。あとで普通の店で同じものの値段を見たが、陳さんのほうが少し安かったか。 しかしお茶は飲んでみるとややかび臭い。ポーレイはもともとかび臭いがこれは特に臭いか。 3番目にいった店はいわゆるDFS(デューティーフリーショップ)で、店頭にジャッキーチェンのポスターが貼ってあった。どうやらジャッキーが経営しているらしく、ジャッキーブランドのネクタイやバッグを置いていた。 ここには面白いおもちゃがいっぱい売っていた。(映画エイリアン3のキャラクターの人形など、兵士のものまであり、こんなものどうするんだって感じがいかにもアメリカン。香港なのに。そういえば、香港らしい独自のキャラクターを見掛けなかった。)後で買っておけばよかったと後悔。値段を覚えていないが、品物の量と種類はなかなかだった。 ここを出ると宝石工場。ここは高いし興味もないので一番つまらなかった。しかも日本人ばかり。 ほとんど通過するだけでさっさと出たかったが、陳さんがどこかに電話していたので、待っていた。 電話も終わり、最後のDFSへとバスで移動。工事中が多く、あちこちに竹であんだ足場が見れる。 あのペニンシュラまでも。 香港では鳶職の給料は結構いいそうで、日本円で月18万円くらいと言っていた。 香港人は貯金が好きで、親と一緒に住んでいる人は給料の半分は貯金するそうな。 なんと言っても食料と日用品が大変安いので半分貯めても暮らすのは楽らしい。 しかし、住宅事情は悪いのでアパートを自分で借りている人はその給料の半分が家賃で消えて行くらしい。 香港全体で人口が600万人、人口密度が3400人/kuなのだそうだが、九龍半島の先端、尖沙咀あたりでは、15万人/kuくらいになるそうだ。しかも、毎日にように中国からの密入国者は増えているという。 もう4年もすればまた中国人になるのにとも思うが。 ラマダの近くのDFSにて陳さんとお別れ。 その前に最終日の昼に四川料理を一人4千円でどうだと言われたが、香港で四川料理は食うなとの三古氏の忠告に従い、かつ最終日の飲茶を無くしたくなかったので、きっぱり断る。 DFSに登るエスカレーターの前ではまた偽物を売る怪しいにいさんがたくさんいる。 無視して登ると酒の安売りコーナーだった。ここは確かに酒が安い。香港では出国の際に空港で酒の受け渡しをするので、別にいつどこで買ってもよいということが判明。免税価格より15%安いというのでここで買う。しかし、今となってみれば、日本のディスカウントストアとそうそう値段が変わらなくなっている。酒屋の新聞広告を持っていって買う前に確認するとよいかも。 DFSを出ると、もう昼近かった。急いで地下鉄に乗り、中環に行くことにする。 地下鉄のチケット販売機は必ず小銭が必要。チケットは使用時に回収される面白い方式。折ったりすると罰金らしい。地下鉄の中は広東語が充満してとてもうるさい。座席は金属なので、駅が近づきスピードが落ちるとお尻が滑る。中環の駅ではどちらに出ればよいのかよくわからず、しばらく悩む。出口に失敗したので、ちょっと陸羽は遠くなってしまった。 トイレに行きたくなったので、ランドマークに行くことにする。確かに建物の中は涼しい。 外はとても暑いが中はとても寒い。これは疲れる。上着を着てしまった。さんざん探してやっと見つけたトイレはあまり綺麗でなく残念。さっぱりしたところで、やっと陸羽茶室に着いた。 入り口で人数を告げると、一番奥へ通された。テーブルにつくと点心メニューが小さな紙に書いてあった。 全く解らない。オーダーを取りにきたおじさんにこれが食いたいとこちらで用意した陸羽のメニューを見せると、うちは毎週土曜に替えるからと見てくれない。これには参った。 大きなメニューからなんとか解りそうなものを頼み、食べる。 1時を回っていたので、軽くすます。炒飯と蝦餃子、胡麻団子、水餃子などを食べる。 ポーレイ茶にジャスミンが入っていたのがちょっと不満だが、さすがにうまい。しかも安い。4人で177.4H$。 陸羽を出て、ワトソンズで買い物。ただでさえ安いのにバーゲンの期間だったから日用品なんか異様に安い。 風呂のボディースポンジが3つで8H$。健康にいいという暴暴茶が20H$。化粧品なんか日本の1/3だそうな。 そのままランドマークに行き、噴水を見る。回りの香港の人も写真を撮っているので安心して写真を撮る。 噴水横のファウンテンサイド(安易なネーミング)でお茶する。そういえば久しぶりのコーヒー。地下鉄で九龍半島へ向かう。 ペニンシュラに行き、チョコレートを買おうとしたが、ブティック前に体格のいい男が立っており、外で客が待っている。ここは入れ替え制かと思っていると中になんとジャッキーチェンが。 大感動。回りの日本人も興奮している。 ひとり冷静な日本人女性が外にいて、ジャッキーが出て来ると一緒に移動していたがあれは誰。 思ったとおり顔が大きいというのが第一印象。 しかし、格好は派手で、ジャッキー以外ではここには入れないのではという感じである。 隣の店に行ったのでやっとチョコレートブティックには入れたが、まだ気になるので見にいくと何と一緒に写真を撮っているではないか。急いでそこに行き、自分達も一緒に撮ってもらう。 あのジャッキーと一緒に肩を並べて写れるなんて。河野氏など、彼の肩に手を回し、背を屈めているではないか。別れ際に「はい、どうも。またね。」と声をかけてくれた。河合奈保子とはどうなったんですか。ああ、こんなことならさっきの店でジャッキーのネクタイ買えばよかった。ごめんね、こんど見つけたらきっと買うよ。感動をそのままに、ペニンシュラでチョコを買う。感動のあまり、誰もその値段を記憶していないのだった。 ![]() こうなると、午前中の疲れもどこへやら、中華航空が遅れ、予定が狂ったことまでよかったことになる。 人間って単純。 気がつくと結構疲れていたので、ホテルに一旦帰ることにする。ネーザンロードをゆっくり歩く。暑い。豊通ウオッチマンで土産の財布を買う。通常の値段より20%オフなので、確かに安い。 ホテルに帰るとこれまた冷房がよく利いており寒い。女性二人は疲れてダウンしたので、荷物をおいて男だけでホテルの回りを散策した。 まず、目の前にある本屋に入る。店じまいするようなことが書いてあり、宮沢りえ写真集第二弾として、相沢なほこの写真集が置いてあった。 ネーザンロードを渡り、裕華百貨店に行く。2階には中国の壷や陶器があり、地元っぽい味をだしている。一番面白いのは薬売り場で、鹿の角や、鮑の乾したのなどが置いてある。タツノオトシゴの乾したのはそのまんまの形。薬は品名が漢字で書いてあるのでなんとなくわかる。 香港は工事中のところが多く、埃っぽいので、すぐに喉がやられる。もう少しひどくなったらここで喉の薬を買おう。正露丸など日本より安い。そのまま北へと進み、ジョーダン駅あたりまで行って引き返すことにした。道端に本屋があり、漫画や雑誌を売っている。「ウッチャンナンチャンのやるならやらねば」で事故にあい、死んだBEYONDのウォンガークイの追悼本もあった。漫画はうわさどおり日本もので半分は週刊ジャンプと思われた。 道を渡り、帰り際に生ジュース屋を見つけた。ハニーメロンジュースを頼むとおもむろに切ったメロンをミキサーにつっこむ。確かにうまいがメロンそのもの。しかも生ぬるいのがちょっと残念。 ホテル近くに日本語の本屋を発見。4階なのだが、そこまでの階段が暗く、ちょっと恐い。中には2週間くらい遅れたあらゆる日本の本が置いてある。こういうのを買う人がいるんだなあ。 店を出て、セブンイレブンでビールを買う。ほんとに安い。ホテルに帰ろうとしたとき、薬屋の店先の冷蔵庫に亀ゼリーを発見。当然買う。喜んでホテルに帰る。時間があまり無いのでシャワーを浴び、いい格好に着替えてタクシーでワンハーバーロードに行く。と言ってもジャケットもパンツも変わらず、シャツにネクタイをしめただけだが。
暮れゆく香港の夜景を見ていると、早速料理がやってきた。タロイモコロッケ蟹肉入りを頼んだがライチーのコロッケ蟹肉入りに替わった。これが最高。口の中、宇宙。次は鮮蓮冬瓜。とうがんの丸ごとスープである。目の前で切って少しづつついでくれる。なんて奥の深い味。次が続々来るのが判っていても、残す気にはとてもなれない。具がすっかり無くなって、スープだけになってもお代わりしてしまった。エビのすり身を詰めた茄子の蒸しもの、百花醸茄子も美味。茄子でこんなに深いものを作るとは。中華おそるべし。あ、北京片皮鴨がきた。片手で釣り下げてさっさと身を削いでいく。薄皮と一緒に食べる。やや辛目の味付け。一度身を奥に持ってかえり、ミンチにして松の実をと混ぜ、レタスにくるんで食べる。これは割と味が濃い。ここまでで、かなりお腹は膨れていた。 外はすっかり暮れて、すばらしい夜景が広がっている。スターフェリーがゆっくりと眼下を進んで行く。ああ、なんて贅沢。ここで炒飯が出た。さすがに苦しいかと思われたが、これまた最高。いったい何が入ってこんなに微妙な味がするのか、突き止める前に全部無くなった。デザートはマンゴープリン。ああ、至福の一時。ちなみにここはトイレも最高。用をたすと、おじいさんがさっと蛇口をひねる。手を洗うとさっとタオルを差し出す。流れるようなサービスに2H$でいいのかと、そこまでするかと思ってしまう。子供が行くときはどうするんだろう。食事はこれで2032.8H$、一人7500円は絶対安い。こんなにもてなされた気になって食事をしたことは今まで無かったと感激。是非、今度来るときも、その次もここへ来よう。 食事も終わり次はバーでも行くかとグランドハイアットの中のメインバーに行って見たが夜景が見えないので、九龍半島へ戻ることにした。 タクシーをつかまえると、運転手が海のほうを指差し、なにかわめきながら走る。そちらを見ると、九龍側に渡るトンネルが渋滞している。どうやらこのトンネルは渋滞しているので一本向こうを通るといっていたようだ。確かに混んでいるが、返事を聞いてから行動してほしい。おかげで早くついたけど。 シャングリラホテルに着き、ロビーを見るとなんとそこにバーがある。これでは夜景が見れない。 仕方なく、近くにある夜景の奇麗なシェラトンのバーに行くことにする。 途中、ニューワールドセンターにジュラシックパークの看板があった。儒羅紀公園。 シェラトンのバーは流石に雰囲気最高。眼前に広がる夜景を見ながらゆっくりくつろげる。 しかし、女性陣が疲労困憊のため、早々に引き上げる。470H$。 帰り、タクシーを拾おうとしたが、なかなかつかまらない。 キンバリーは歩くには少しあるが、タクシーに乗るには近い。こんどは地下鉄の駅に近いホテルにしよう。 ぼろぼろになりながらやっとホテルに着く。テレビを見ながらゆっくり飲むビールが最高。 つまみの亀ゼリーは不思議な味。漢方薬をゼリーにしたものなのでとても苦い。砂糖をかけやっと食べる。 ふりかえると長い一日だった。 風呂からあがったら明日の打ち合わせをしようといっていたら豊田さんがなかなか上がってこない。 なんと風呂を壊したらしい。行って見ると風呂栓がはずれている。いったい何をしたの。 部屋を替えてもらうのも面倒なので、黙っていることにする。明日は朝からマンダリンまで朝食を食べにいくようにしていたが、香港島までの地下鉄代の香港ドルが無いことが判明。朝、恆星銀行が開くのを待って行くことにする。 部屋に帰ってビールを飲んで寝る。ビールがうまいが、疲労の極致で半分で酔ってしまった。 このとき、日本では歴史的な自民敗北の選挙結果が出ていたが、それを知ったのは、翌日のニュースであった。 |
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7月19日
朝起きて、散歩する。朝の7時半に九龍公園に行くと公園中で太極拳が見られると書いてあったのでいってみた。 なるほど、集まって音楽に合わせて踊っている。前に立っているのがが先生だろうか。しばらく公園を歩くと、プールがあった。朝も早くから結構泳いでいた。泳いでから仕事に行くのだろうか。 朝といっても暑いので泳ぎたくなったが、朝から疲れてはハードな日程がこなせないので止める。 十分汗をかいたので、ホテルに帰る。お腹がすいた。 しかし、今日は朝からマンダリンオリエンタルに行くので我慢しよう。その前に隣の二人は起きたのだろうか。 シャワーを浴び、いい格好に着替えて出る。銀行は9時からなのでしばらくあたりをうろうろして時間をつぶす。 アウトレットの安い服屋もあったが、安そうなものばかりだった。 銀行で一人一万円づつ両替。自民敗北のあおりをくって円安になるかとおもいきや、以外にも円安は進む。 両替している間にもどんどんレートが変り、損していく。何はともあれお金ができたので地下鉄に乗って香港島へ行く。 マンダリンホテルのクリッパーラウンジにて待望の朝食にありつく。 時間が遅かったせいかあまり選べなかったが、ライチーなども食べることができた。コーヒー紅茶ともにうまい。 しかし、お値段はちょっと高い。一人2千円くらい。 食事も終わり、アウトレット専門のビルに行く。メンズがあまりなかったので少々残念だったが、若干一名、豊田さんは大喜びで買い物し、下ろしたばかりのお金を使い果たしていた。ここでほとんど時間を費やしたので、すぐ半島にもどり、昼食の麗晶軒に向かう。 予約していただけに、窓際の絶好の席に案内される。目の前には早くも翡翠のスプーンと皿が。確かに重い。 ウエイターが飲茶メニューと普通のメニューを持ってきたが、予定していたものは無く、その場で選ばなければいけなくなり大変。2、3種類の餃子、焼売と、スープ、ゴマ団子を食べる。 私が左手で食べているのを見て、箸置きを左に置き換えてくれた。生まれて初めて受けるサービスに感激。 いままでどうも箸置きは使いづらいと思っていたが右に置いてあったからだったのか。知らんかった。 このお茶は茶碗の親のような面白い入れ物に入っており、うまくつがないとこぼれる。 お茶がなくなるとさっとウエイターがやってきて、さっとつぐ。真似していれると、仕事をとられたような、さびしそうな顔をして去って行く。 悪いことをしたかなと思ったが、好奇心に負ける私達はどんどんやってみてテーブルクロスはお茶色に染まっていった。こんど買って帰ろう。 焼きそばを食べおわると、いよいよデザート。翡翠のカップに入ったタピオカ入りココナッツミルクが冷たくて美味。すっかり満足。値段も一人1700円と安くさらに満足。 天気もよく、すっかりいい気分だったので、海のほうに行く。途中で豊田さんは資金の補給のため、銀行に両替に行く。海沿いの道はとても眺めもよく、気持ちよかった。写真をとりながら、香港文化中心のほうに歩いて行く。 中のトイレにいき、ちょっと休憩。 海沿いを歩き、ニューワールドセンターへ。 比較的新しいショッピングモールで、中にトイざラスがある。ちょっと見るつもりが、かなり探してしまった。解りにくい建物。トイざラス自体はまさに倉庫のようなというか、ナフコのような作りだった。あんなおもちゃ屋楽しくない。 かなりうろうろ歩き、疲れたのでカフェに入りたくなり探したが工事中で騒がしいため、隣接しているホテルのロビーのソファーでしばらくぼーーっと座って休んだ。 気力が回復してきたのでまた動きだす。そろそろ土産を買わねばと、また免税店に行く。 エスカレーターの下に、また偽物売りのにいさんがいた。河野氏は人に頼まれたからと、ついていった。 免税店の中で、土産の品定めをしていると、緊張した顔つきで彼が帰ってきた。 少し離れたビルの一室に連れていかれ、入ると後ろで鍵を掛かる音がしたそうな。比較的安い時計もあったので、それを買うと出てこれたそうだが、そんなところに女性が一人でついていったらどうなるのだろう。おお、香港に売り飛ばされるのか。 免税店を出て、またワトソンズで化粧品などを買う。7時から食事だし、時間が中途半端なので、一旦ホテルに帰る。荷物を置き、近場である裕華に行き、XO醤などを買う。 薬売り場は漢字でだいたいの商品内容が判るし、同じ物なら日本より安い。一旦、荷物を置きにホテルへ。 いよいよ福臨門である。入り口で予約してあることを告げ、エレベーターで4階へ。真ん中くらいのテーブルに案内される。例によって飲み物はポーレイ。事前に陳さんに予約してもらっていたが、鮑の値段の関係で少し確認をされる。隣のテーブルにはやはり日本人。こちらに住んでいるらしき一家で、ゆで蝦を食べていた。 まず、最初に出たのがフカひれのスープ。一人分が結構量があり、春雨の大群のようにフカひれが入っている。 隣のテーブルで食べている量の3倍はあるか。なんともいえず美味。 それから、鮑。すばらしいの一言。口の中に豊潤なスープが広がる。ああ、これが世界一の味の一つか。 次は地鳥のフライ。まるごと一匹持ってこられたが、横で取り分けてもらえたので、食べるのは簡単だった。 これがまた、美味。今まで食べたどんな鳥よりうまい。ぼーっとしていたら、頭を持っていかれた。おいしいという話だったのに。 それからアミガサタケの蟹肉あんかけ。ぷりぷりとした食感のアミガサタケは、日本でも高級食材らしい。 次に出たのが蟹のガーリック炒め。これはそれなりだったが、次に出た蓮の葉つつみご飯が絶品。 最後にゴマ揚げ団子とツバメの巣のココナッツミルク煮を食べ大満足のうちに食事が終わる。しめて5918H$。 うーんなかなか。 気分よくホテルに帰り、地下のサウナに行く。 脱衣場にはボーイがいて、着替える後ろでタオルを持って待っている。なんだろうと思いながらもパンツを脱ぐと後ろからそのタオルがやってきて腰にまけといってくる。サービスには違いないがすこし居心地が悪い。 すぐにジャグジーのほうへ行く。るるぶの写真では奇麗に写っていたが、実物も奇麗だった。 ただ、写っているところしかジャグジーは無く、意外とせまかった。まさに写真のとおりだったわけである。 広い湯船には私達二人しかいない。しかしきちんと服を着たボーイが傍らに立っている。風呂に裸でない人がいるとおちつかないものだ。この風呂はあついほうは適温だが、冷たいほうは氷がはいっているのではと思うくらいつめたかった。しばらくつかり、サウナに入り、シャワーで汗を流した。あかすりを頼んだが、今はやってないと断られ残念。すっかりゆだってしまいあがると、やはりボーイがタオルを持ってやってくる。しかしひとり260H$は高い。この間に豊田さんは、一人でジョーダンの裕華に行ったそうな。 ちなみに風呂は直っていたそうな。 |
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7月20日
朝起きてニューワールドセンター方面の海まで散歩、予定では朝食と昼食は一緒で飲茶ですますはずだったが、私と河野君はそれですむわけがないので、ホテルでも食った。そのあと中国村でパジャマなどを買う。シルクのパジャマが1000円。その他、ほとんどの物が日本円で買える。日本語で買い物でき、おつりももらえるのだ。便利。しかも、レートが良かったりする。店の人が勝手に今後の円高をみこんでいるのだ。 それから翠園酒家で飲茶。ワゴンが回り、そこから選ぶ方式。さんざん食べたが、結構安い。 愛敬あるおばさんが愉快。「シュウマイいかがー。」って感じで売り歩く。 るるぶを見ながら食事していると、おばさんに笑われた。 そして、これはどうだと、どんどん薦められた。4人で211.2H$。 13時に集合なのでホテルへ歩いて帰る。涼茶房などあり、そこで亀ゼリーも食べられる。 いつも歩いていたネーザンロードよりも、一本外れたほうが面白い。 13時に陳さんが迎えに来ており、マイクロバスで空港まで。陳さんにはお礼に50H$渡す。 空港税が150H$。 帰りは予定通りに飛行機が着く。帰りは空港でそんなに時間がかからないのでタクシーで博多駅へ直行。 新幹線で帰る。小郡からは車でうち。お茶を一杯飲んで解散。やっぱり旅行はつかれる。 でも、香港にはまた行きたいと思わせるものがある。きっとまた行くんだろうな。 再見、香港。(実は半年後の1月、また行ったのであった。) 後日談 中華航空がついに啓徳空港に着陸失敗した。 本でよくよく見るとジジシューズ&バッグスはキンバリーのすぐ近くだった。 カードで支払うとき、一番下の欄を空欄にしてサインを求めにくるので、そのまま上の合計を書き写せばよいと思いそうやってサインしてきたが、実はあそこでチップを足した額を書くか現金で渡すようになっていたらしい。知らないというのは恐ろしい。 後後日談 中華航空がついに名古屋空港に墜落した。 |